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地域の営みに学びながら、
事業として関わるという選択。

地域価値を、実装する。


地域には、風景があり、営みがあります。

それらは、地域の中では大切に受け継がれてきました。

一方で、その価値が社会の中でどのように使われ、
どのように関係を生み、次につながっていくのか。

そのための仕組みが、用意されていない場面も少なくありません。

私たちは、地域にすでにある営みや感覚を前提に、
それが社会の中で実際に機能し続ける形を設計し、
成立させていきます。

価値を語るのではなく、使われ、関係が生まれ、
「循環していく状態」をつくること。

それを現実の動きとして引き受けることが、
私たちの考える「地域価値を、実装する。」というあり方です。

地域が、見えにくくなっていくとき


土地は残っている。暮らしも続いている。
関わり続けている人も、確かにいる。

それでも、社会との接点の持ち方によっては、
その「地域の価値や営みが十分に伝わりきらない」ことがあります。

価値がないのではありません。

ただ、その価値が、社会との関係の中で
「共有されやすい形になっていない」だけです。

地域と社会をつなぐ、ひとつの事業


こうした「見えにくさ」は、 いしい茶園においても、 同じようなかたちで現れていました。

地域では、茶業は斜陽産業として語られることがあります。
一方で、都市部には、「 茶園に行ってみたい」「お茶摘みを体験してみたい」 といった関心が、確かに存在していました。

関心はある。現場もある。
 
それにもかかわらず、 社会の中では、「その存在」がほとんど知られていない。

「地域と社会が出会い、関わりを持つための回路」が、 十分に整わないままの状態が続いていました。

この断絶を、 単発の企画や発信で埋めるのではなく、「 関わりが続いていく前提」として捉え直す。
 
そうした試行の中から、 「地域価値創造事業」という枠組みが、 少しずつ形を持つようになっていきました。
 

地域の営みが続いていくためには、
 
1)“土地が使われ続けること”
2)“人が関わる入口と場がつくられること”
3)“生まれた関係が、記録され、共有され、次につながっていくこと”

これらが、個別ではなく、 「ひとつの循環として機能する」必要があります。

私たちは、この循環を持続的に機能させていくために、役割を分けて事業として組み立ててきました。


1)“農業支援”
2)“まちづくり”
3)“群脈デザイン”
 
それぞれは独立した活動ではなく、 ひとつの「地域価値創造事業」を構成する役割となります。

【地域価値創造事業部】


農業支援ユニット

── 土地が、使われ続けるために

 
農業支援ユニットは、地域の営みの基盤となる農地が使われ続ける状態を保つことを役割としています。
 
農業支援ユニットでは、地域の持続可能な農業環境の再構築を目的に、耕作放棄地や高齢化に伴う作業困難地の維持・再生に取り組んでいます。具体的には、草刈り・整地・収穫といった農作業の代行や、担い手不足の農地における共同耕作の推進を通じて、農地の生産性を保ちながら、美しい風景の維持にも貢献しています。また、都市部の個人や企業との連携により、農業に関わる「参加の余白」をつくり出すことで、農地が“暮らしとつながる資産”として見直されることを目指しています。一次産業を守るだけでなく、人と自然、人と土地の関係性を再構築する、地域の基盤を支える実践的ユニットです。


まちづくりユニット

── 人が関わり続けられる、場と入口をつくる

 
まちづくりユニットは、地域の中に人が関わり始め、滞在し、関係を深めていくための場と入口をつくる役割を担っています。
 
まちづくりユニットは、地域に眠る空き家や遊休施設、耕作放棄地といった未活用資源を再編集し、人が集い、滞在し、関わり続けられる「場」へと再生することを目的としています。地域拠点の企画・運営をはじめ、季節の体験プログラムの開発や地域行事の仕掛けづくり、外部プレイヤーとの協働による事業創出など、地域の文脈に根ざした価値創造を推進しています。また、都市と地域、訪問者と住民をつなぎ、関係人口や地域ファンを育てる長期的視点も重視。地域の魅力を再発見し、それを自らの手で未来につなぐ仕組みを整える、地域の可能性を実装するための実動ユニットです。


群脈デザインユニット

── 関係を、記録し、共有し、広げていく

 
群脈デザインユニットは、地域で生まれた関係や営みを記録・編集し、共有可能なかたちへと翻訳する役割を担っています。
 
群脈デザインユニットは、地域に広がる「人と人」「人と自然」「人と風景」といった目に見えにくい関係性を丁寧に掘り起こし、新たなつながりとして再編集することを目的としています。地域住民への聞き取りや記録のアーカイブ化、季刊誌『ヤドログ』の編集・発行、また企業・大学との協働事業の設計などを通じて、地域に蓄積された知恵や想いを可視化し、発信しています。こうした活動は、地域内の相互理解を深めるとともに、外部との関係を築くための土台づくりにもつながっています。人の記憶や経験を“資源”として活かし、地域の魅力や価値を共有可能なかたちへと翻訳していくこのユニットは、地域価値創造事業全体の文脈と意味を支える重要な役割を担っています。


【茶業統括部】
いしい茶園本部


── 茶園を、ひらく

 
神奈川県松田町寄(やどりき)の山間に広がる「いしい茶園」は、茶の生産を起点に、茶園のあり方そのものを事業として構築しています。
 
神奈川県松田町寄(やどりき)にある いしい茶園 では、農薬を使用せずに育てた一番茶を用いた日本茶の生産・販売を行っています。あわせて、茶園という空間を活かした体験の提供や、個人が継続的に関われる仕組みとしての「ひとつぼ園主」制度を運営しています。また、茶園テラスを活用した場づくりや、企業とのブランド協業、CSR型パートナーシップ、茶園空間の利活用といった取り組みを組み合わせることで、農産物の販売に依存しない、複合的な茶園経営を実践してきました。いしい茶園の茶業は、単に茶を生産・販売することを目的とするものではありません。茶園という土地や空間、人との関係を含めて価値として捉え、関わりが長く続いていく形を事業として成立させることを重視しています。茶業統括部・いしい茶園本部は、こうした茶業の実践を担う専門領域として、綱右衛門有限会社の事業基盤を支えています。


【ゼブラ企業として】


ゼブラ企業とは

 
ゼブラ企業とは、2017年に4人のアメリカの女性社会起業家が提唱した概念です。時価総額を重視するユニコーン企業と対比させて、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業を、白黒模様、群れで行動するゼブラ(シマウマ)にたとえて命名されました。近年、日本でも注目を集めており、その特性に応じたインパクト投融資が行われて潜在力を発揮することで、地域課題の解決につながる可能性があるとされております。

引用:経済産業庁 中小企業庁 創業・新事業促進室https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001309359.pdf